教員紹介

相澤 康則 講師
相澤 康則 講師

相澤 康則 講師

プロフィール

薬学博士

e-mail:yaizawa(at)bio.titech.ac.jp

1994年
京都大学薬学部 卒業
1999年
京都大学薬学研究科後期博士課程 修了
1999年
博士号(薬学)取得
「二量体タンパク質によるDNA塩基配列の分子認識機構」
1999年 - 2002年
米国コロンビア大学 生化学・生物物理学部 博士研究員
2002年 - 2005年
米国ジョーンズホプキンス大学 医学部 博士研究員
2005年より
現職

メッセージ

「DNAが遺伝子となる原理」が私たちの知りたいことである。

 この課題に取り組むためには、現時点で明らかに遺伝子だと断言できるDNA領域を研究対象にするのなく、むしろ「遺伝子のようだけど、遺伝子かどうか見極めにくいDNA領域」にこだわり、遺伝子なDNA配列(genic region)と、そうではないDNA配列の境界条件の解明に向けて研究を進めている。この境界線をこじ開けることができれば、新しい「遺伝子の成立原理」を構築することができるであろう。

 私たちが対象とする生物種は、ヒトを含む哺乳類である。これら生物種では、トランスクリプトーム解析によって転写が、そしてリボゾームプロファイリングによって翻訳が共に、これまで考えられていた以上にプロミスカス(promiscuous)であることが明らかになった今、セントラルドグマの2段階を過ぎたあとの分子イベントに「DNAが遺伝子となる原理」の鍵があると私たちは考えている。

 また私たちは、ヒトゲノムの進化の過程で、感染したウイルスゲノムが内在化し、そこからまさにウイルスのようにヒトゲノム内にコピー数を増幅させた配列ーレトロトランスポゾン(以下RE)ーにも「DNAが遺伝子となる原理」の重要な鍵があると考えている。REは進化の過程で爆発的にそのコピー数を増やし、ヒトゲノムでは、その全領域の半分以上を占めている。我々の遺伝子は「RE由来配列の海に浮かぶ小島たち」なのである。
多くのREはすでに増幅活性を失っているため、これら非増殖型REは、増殖型REと区別して「レトロエレメント」と呼ぶほうが、混乱を避けるのによい。現在、レトロエレメントは無機能であると世間は考えているようであるが、それは大規模解析によって、大多数が無機能な集団の「平均」をみた結論であり、少数派の「例外」が見逃されている可能性が高い。生物学では「例外」が進化を推し進め、システムのネットワーク化を高め、メカニズムをワクワクさせることを忘れてはいけない。


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