研究紹介

大谷研究室では生体分子の光化学反応を追跡しています。
反応は生理温度では瞬時に進み、小さな細胞の中の分子が発する信号は弱いため、なかなか見ることはできません。
そこで”見えない物を見る”ための様々な工夫をこらし分光測定装置の開発も行いながらフェムト秒からキロ秒にいたる広い時間領域での研究を進めています。
現在の研究テーマのひとつを以下に紹介します。

レチナール蛋白の光異性化反応

レチナール(ビタミンA誘導体)を含む蛋白は動物の網膜の中で光をとらえる大切な働きをしています。
当研究室では細菌のつくるレチナール蛋白の光吸収とその後の反応を主に研究しています。
吸収した光のエネルギーを利用してレチナール(下図)はtrans→cis異性化反応をおこします。
この反応は1 ピコ秒(=10-12 秒)未満(光でさえ0.3 mmも進めない時間領域)で完結します。
最も興味深い点は、特定のC=C結合のみが異性化すること、すなわち副生成物が生じないことです(高い反応選択性)。
この優れた特性は、レチナール蛋白のもつ性質に依るものなのか、第一励起状態だけがもつ性質なのかを明らかにすることを目的としています。

研究内容図


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