研究紹介

動物は外界の化学物質を検知し、生命維持に必要な行動をとります。
例えば、食物探索・天敵からの危険回避・生殖などの行動は、外部環境中の匂い物質を受容することにより表れます。
こうした化学情報の受容を担うのが嗅覚であり、嗅神経細胞は特定の物質や官能基に反応するセンサーとして機能します。
膨大な匂い情報に対応するため、嗅神経細胞は多様な個性を有する細胞集団として産生されます。
その個性を規定する嗅覚受容体は、ゲノム上最大の遺伝子ファミリーを形成しており、その数はマウスにおいて約1400個、全遺伝子の約5%にも及びます。
遺伝子の多さからも 動物にとっての嗅覚の重要性がうかがえると言えます。
嗅覚受容体遺伝子は「1細胞1受容体かつ対立遺伝子排除」という特徴的な発現様式をとりますが、「1細胞1受容体」を保証するOR遺伝子の発現機構は未解明のままです。

当研究室では、無限とも言われる匂いの感知と識別を可能にする神秘の感覚神経・嗅神経系の謎に、遺伝子工学・マウス遺伝学的手法やイメージング技術を用いて迫りたいと考えています。
さらに、アロマテラピーに代表される“香りの効果”など、嗅覚を介した生体への作用を有するような機能性匂い分子の探索を目指しています。
また、当研究室では新たなゲノム工学技術およびトランスジェネシス法の開発を目的として、合成ゲノムベクターを用いた巨大DNAの遺伝子改変技術の開発と応用研究を行っています。


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