研究紹介

 ヒトの体は約60兆個の細胞から構成されており、私たちの日々の活動は、つきつめると個々の細胞の活動であるといえます。多くの病気は細胞機能の破錠が原因となって生じるため、正常な細胞機能の理解は、疾患の発症機序の解明や治療薬の開発を行う上で不可欠です。

 タンパク質のユビキチン化はそのような細胞機能の重要な制御機構であり、ユビキチンという小さなタンパク質が様々な細胞内タンパク質に共有結合することが目印となり、それらタンパク質の働きを実に様々に調節しています(ユビキチンの働きの発見に2004年ノーベル化学賞が授与されています)。

 その中で私たちは、ユビキチン化による増殖因子受容体の分解と細胞増殖の制御機構を、ヒト培養細胞や遺伝子改変マウスなどを材料に研究しています。最近、1つの大きな成果として、私たちが長年研究してきた脱ユビキチン化酵素の遺伝子変異が脳下垂体の腫瘍を生じさせ、Cushing病という難病をひき起こすことを発見しました。これまでCushing病の有効な治療薬はなく、この発見は難病治療への道を切り開いたものです。駒田研究室では、将来的にCushing病の治療法の開発につなげるべく、土台となる細胞生物学のレベルでその発症の分子メカニズムを研究しています。


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