研究紹介

私たち生物は細胞を基本単位として生命活動を営んでいます。そして現代の生命科学は、この細胞に含まれる様々な生体分子の構造や機能の解明に成功してきました。しかし、これら分子それぞれの機能を足し合わせても、増殖や分化、多様性形成のような細胞の挙動を十分に理解することはできていません。これは、生きている細胞の仕組みが極めて複雑であるからです。

そこで、私たちは細胞の進化を辿り、現在の細胞がどのように成り立ってきたかを考察しています。細胞は、細胞核をもつ真核細胞と、細胞核のない原核細胞とに区別されますが、真核細胞は原核細胞同士の共生により誕生しました。したがって、細胞共生のしくみを深く理解すれば、真核細胞の基本的な枠組みを知ることができるでしょう。このような視点から、植物細胞を誕生させたシアノバクテリアの細胞共生、細胞核と葉緑体の関わりについて、原始的な藻類(シゾン)を用いた研究を進めています。

また、光合成や呼吸、発酵のようなエネルギー代謝は、どれも生命が原核細胞の時代に作り上げたプロセスであり、現在もすべての生命活動を支えています。当研究室ではこのようなエネルギー代謝が細胞内でどのように維持され、細胞活動を支えているかについて、シアノバクテリアや大腸菌を材料として研究しています。

私たちはこのような進化の視点から細胞を見つめ、生物を構成する細胞の枠組みを理解し、生物のデザインや応用に結びつける基礎理論の構築を目指しています。


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