研究紹介

地球における生命活動のエネルギー源は、ほぼ太陽の放射光に由来し、光合成はその根幹を支える反応です。光合成を通じて、光エネルギーが化学結合のかたちで有機化合物中に蓄えられ、それが多くの生物のエネルギー源となっているのです。したがって、光合成の調節機構の理解は、生物学的根本命題の一つと考えられます。

私たちは、光合成生物の環境適応機構を分子レベルで理解することを目標に研究を進めています。具体的には、植物や光合成細菌の光合成調節機構や(図1)、シアノバクテリアの光受容機構の解明(図2)などです。手法は生化学/分子生物学/遺伝学/分光学的解析が主ですが、基本的に、明らかにしたいことに対しては手段を選ばない、というスタンスで研究を行っています。

多くは基礎的研究ですが、それを基盤として、任意の遺伝子発現を光でON/OFFする技術、環境適応能力を強化した植物の開発(図3)も進めています。開発された技術は、様々な分野の研究に貢献できる可能性を秘めています。


図1:研究室で扱っている光合成生物と光受容体タンパク質の発表論文


図2:シアノバクテリアは光合成を効率良く行なうために、光の方向へプレート上を移動する。上は野生型(WT)、下はPixDと呼ばれる光受容体タンパク質を欠損した細菌で、逆に動いてしまう。


図3:本研究室で作成した組換え植物体は、通常条件下では、葉緑体のサイズは減少するが、個体は大きく育つ。この組換え体を窒素欠乏条件下にさらすと、緑色を保ち、光合成を継続した。


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