研究紹介

私達のグループでは、タンパク質と金属を使った様々な分子ツールの開発を進めています。精密に動く分子機械、天然を凌駕する人工酵素、さらには、精製も不要、かつ安定にタンパク質を保存する分子カゴ等々、ラボメンバーのユニークなアイディアから新しいタンパク質が次々と生み出されています。

(1)タンパク質集合体の理解と生体材料応用

タンパク質の特徴の一つに、複数のタンパク質が自発的に集まり、複雑かつ精密な集合体となる「自己集積反応」があります。天然では、この集合体の表面や内部空間に形成される特異な化学反応場を使って、人工的には合成が困難な多くの物質が作り出されています。
細胞内は種類の異なる生体分子が高濃度で存在する環境にもかかわらず、如何にしてこのような精密な集合体が形成されるのでしょうか?これらの疑問の解明から、針状、カゴ状、格子状等、様々な構造をもつ人工タンパク質を作り出し、ワクチン開発などにつながる生体材料の応用研究を進めています。

(2)金属機能の理解と生体内利用

近年、多くのタンパク質の反応や構造の制御に、金属が大きな役割を果たしていることが次々と明らかにされています。
私達のグループでは、体内に多く存在する鉄に着目し、細胞内の貯蔵方法と、機能化の解明を進めています。鉄が関与する生体内反応の理解を深めることができれば、鉄以外の金属の生体内利用も可能となります。我々が見出してきた研究成果から、有機溶媒中でしか実現できない反応を水中で触媒する人工金属酵素の開発や、天然では使われていない金属反応の生体利用も実現されています。現在は、新たな生体機能材料開発へ向け、生体イメージングや、シグナル伝達制御などを実現する分子ツールの作成にも挑戦しています。


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