研究紹介

研究対象は細菌です。
細菌は、真核細胞と比べ一般に増殖が早く、代謝が活発です。
これは、発酵などによる有用物質の生産には有利ですが、病原因子としては極めて有害な特徴となります。私たちは、このような細菌の増殖や代謝を人為的に制御することを目指しています。
細菌の増殖の制御を目指した研究としては、新規標的を有する薬剤の探索があげられます。これまでに私たちは、細菌のアクチン様タンパク質MreB阻害剤A22と、ポルフィリン合成阻害剤アラレマイシンを発見しました。
細菌の代謝の制御を目指した研究では、伝統的なアミノ酸発酵生産菌であるコリネ型細菌のグルタミン酸生産機構と、RNase GによるmRNA代謝の制御機構を解析しています。

図1.アクチン様タンパク質MreB阻害剤A22の構造とA22処理した大腸菌

永い間、細菌はアクチンのような細胞骨格タンパク質を持たないと考えられてきたが、本研究室で開発した新規抗菌剤A22を使った解析から、細菌にもアクチン様タンパク質が存在し、細菌の細胞形態の維持に機能していることが明らかになった。大腸菌にA22を作用させると桿菌形態が球菌化する。

図2.新規抗生物質アラレマイシンの構造とその生産菌

二年生の学生実験で土壌より分離した放線菌から、新規抗生物質アラレマイシンを発見した。アラレマイシンはポルフィリン合成系の酵素ポルホビリノーゲン合成酵素を阻害する。一緒に新しい薬を見つけましょう。

図3.グルタミン酸生産菌コリネ型細菌

コリネ型細菌Corynebacterium glutamicumはうまみ調味料の主成分グルタミン酸(昆布だしの成分)の生産菌である。菌の分離以来50年以上にわたって、グルタミン酸の排出に関与するタンパク質は不明であった。我々はNCgl1221メカノセンシティブチャネルがグルタミン酸の排出担体であることを発見した。


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