生命情報専攻
STAFF
研究内容紹介

メカニカルストレスと組織再生―器官形成システムの解明
工藤 明 教授
人工多能性幹細胞:iPS細胞が現実のものとなってきた今、細胞からどのように各器官ができるか、その解明が次の生命科学の大きな課題です。
私達の研究室はメダカとマウスをモデル動物として器官形成システムの解明を目指しています。特に骨は形を決める根幹を成す組織であるとともに、成体においても再生することから、メダカ突然変異体、ノックアウトマウスを駆使した骨発生・形成・再生の解明を主たる目的として研究します。以下、4つの主な研究テーマを挙げます。
- メダカ突然変異体の原因遺伝子とその機能解明による新規器官形成システムの発見
- 骨と筋肉における物理的力(メカニカルストレス)応答メカニズムの解明
- メダカを用いた無重力条件下(宇宙)における骨低形成・筋萎縮のメカニズム解明
- メカニカルストレスに反応し組織再生に関わるたんぱく質:ペリオスチンの機能解明
メダカ突然変異体は工藤研において独自にスクリーニングして得たものです。それぞれの変異体がヒト疾患の病態モデルであり、その解析は病気の原因・予防につながります。
組織・器官のホメオスタシスと再生のメカニズム
― 魚類のスーパー治癒能力に学ぶ ―
川上 厚志 准教授

私達の体は、なぜこういう形でこのくらいの大きさなのでしょうか?多細胞生物の体は、発生後も決して一定ではなく、毎日驚くほどたくさんの細胞が入れ替わり続けます。にもかかわらず、私達が長年の間に全く見分けが付かないほど変貌することはありません。あらゆる多細胞生物は、たくさんの細胞を一つの形や大きさに繋ぎ止め、常に組織や器官を一定に維持、修復、再生し続けています。このような指令を出している根幹の仕組みは位置情報(Positional information)と呼ばれていますが、生命科学がこれだけ進歩した現代においても、その実体は全くと言っていいほど解明されておらず、生命科学におけるミステリーのひとつとなっています。
魚類、有尾両生類(イモリ、ウーパールーパー)、その他たくさんの無脊椎動物種は、個体の持つ位置情報を活用する能力に優れ、体の大きな部分や器官を失っても、元通りに修復して健常な体に戻ることができます。私達の研究では、モデル生物としては比較的新しい、しかし類い希な再生能力を持つ魚類の組織を使って、組織や器官のホメオスタシス維持のメカニズムに細胞と分子のレベルで迫っていきます。よく見て、しつこく考え、徹底的に実験をして、サイエンスのフロンティアを目指そうという意欲に溢れた学生の研究への参加を待っています。
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