生命工学科
1 生命工学科では
生物の持つ高度な機能の解明と,それを工学的に応用するための基礎学問体系が生命工学である。 生命工学科は,生物機能を利用する物質やエネルギーの生産と生物機能を応用するシステムの構築を目指し,生物機能の分子プロセス解析,生物機能を模擬する分子解析,生物機能のシミュレーション,生物機能の電子工学的応用,生物機能の工学的応用手法の解析,極限環境微生物機能の遺伝子解析,細胞の構造と機能の解析などの専門分野を基礎とする研究・教育活動を行っている。


生命工学科では、生物あるいは生体分子機能を利用する物質やエネルギーの生産、
環境調和型システムの構築を目指した研究・教育活動を行っています。
- 教育
- 生命工学科では、生物化学、物理化学、有機化学の三分野の教育を土台として学部教育が形成されており、各分野の基礎的な教育が2、3年次を通して行われます。また、実験操作を習得する目的の教育が2年次の生命工学の実験として一年間を通して行われ、基礎的な実験操作について習得します。さらに、3年次の実験においてタンパク質やDNAの取り扱い、酵素反応、培養工学、生理活性物質の合成、バイオインフォマティクスなどの基本的技術を習得するための教育が行われます。2年次に基本的な教育を習得したのち、3年次、4年時において生命工学の基礎的な専門科目、分子生物学、遺伝子工学、生物物理化学、有機反応機構などについての教育が行われます。
- 研究
- 生物、あるいは生体分子の持つ高度な機能の解析と、その応用を目指す新しい工学体系が生命工学です。生命工学ではバイオテクノロジーと呼ばれる新しい技術を生み出して、広い分野に大きな変革をもたらしています。生命工学の手法はエネルギー、情報、および物質生産の基盤となる新たな技術として発展しています。
- 主な就職先
- 学部卒業後は、進学希望者には大学院生命理工学研究科生物プロセス専攻、生体分子機能工学専攻、生命情報専攻の3専攻が設置されています。就職希望者には化学、医学、食品などバイオ関連企業をはじめとして非常に広範囲の産業分野への道がひらかれています。
- [環境・微生物・バイオテクノロジー]
- 今、地球上では様々な環境問題が起きています。その解決にはいくつかのアプローチがあります。私達はその中で微生物の驚異的な能力を利用するための研究に取り組んでいます。顕微鏡下でようやく見ることのできる小さな存在ですが、微生物の世界は非常に多彩です。高温、中性から大きく外れたpH、高い塩濃度など、人間はとても住めないような環境に生存するものもいれば、普通の手段では分解しにくくまた毒性の強い物質等を分解できるものもいます。また、生分解性プラスチックのように環境にやさしい有用物質を生産するものもいます。これらの微生物の能力を人間の役に立つ実用化技術にするためには、その機能の発現機構を解析し、その機能が発現される条件を明らかにしなければなりません。物質生産、環境修復(バイオレメディエーション)など、微生物の利用分野は無限大です。
2 生命工学科で何を学ぶか
生命工学科の学習内容は、1年次では7類共通の学習課程、2年次は学部学習案内に記載の生命工学課程に従って構成されます。3年次になると生物工学コース(約30名)、生体分子コース(約30名)および生命情報コース(約15名)の3つのコースに分かれ、それぞれのコース課程に従い学習します。1,2年次のカリキュラムは大岡山(一部はすずかけ台)キャンパス、3年次以降はすずかけ台キャンパスで行われます。
2年次では、生命理工学の基礎としての物理化学、有機化学、生物化学などの科目について、基礎的実験も含めて学び基礎づくりを行います。続いて3年次から各コースに分かれ、分子生物学、生物物理化学、生物有機科学、生物環境論、細胞工学、遺伝子工学、細胞構築学、生命情報工学などの専門科目を学ぶことにより、生命工学を広く体系的に習得します。
4年次には各コースに関連した教員の研究室に配属し、L2ゼミで論文読解と発表のトレーニングを行うとともに、指導教員に付いて特定テーマの学士論文研究を行います。
3 各コースでは
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- 1). 生物工学コース
- 生物工学コースは、バイオテクノロジーにおける基礎と応用に興味をもち、さらに深く学ぶ意欲のある学生にとって最適のコースです。本コースでは、「有用物質の生産」と「有用生物プロセスの開発」を目的とし、「生物駆動型の新技術」を発展させるための教育・研究を行っています。分子レベルから微生物・細胞レベル、さらには臓器・組織レベルのそれぞれに焦点をあてた世界のトップクラスのバイオテクノロジー研究が教員および学生の活躍によって展開され、「生物プロセス技術」の蓄積により、「環境」や「エネルギー」問題にも積極的に取り組んでいます。本コースは、生物プロセス専攻の生体分子プロセス講座(生物分子プロセス分野・生物有機工学分野)、生物機能工学講座(生物機能工学分野・生物化学工学分野)および細胞・分子工学講座(蛋白質工学分野・細胞工学分野)の教員が担当しています。
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- 2). 生体分子コース
- 私たちの体はタンパク質(酵素・細胞・サイトカイン・抗体など)・核酸(遺伝子など)・脂質(生体膜など)・糖質等々の生体分子とその集合体である細胞から成立ちスマートで調和のとれたホメオスターシス(恒常性)を維持しています。生体分子コースでは、分子科学の3本柱ともいうべき物理化学・有機化学・生物化学(分子生物学)を武器として、生命システムの解明と生体機能の工学的制御による物質生産や医療への応用を追求しています。さらに生体機能のシミュレーションによるスーパー生理活性分子の設計・ドラッグデリバリーシステム・遺伝子治療の実現や人工細胞・人工臓器の開発をめざしています。本コースは、生体分子機能工学専攻の生体分子物性講座(生体分子物性分野・生体分子動力学分野)、生体材料設計講座(生体材料設計分野・生理活性分子設計分野)、生体機能制御工学講座(生体機能制御工学分野・バイオミメティック分野)および広域生体機能工学講座(広域生体機能工学分野)の教員が担当しています。
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- 3).生命情報コース
- 生命情報コースは、生命理工学研究科の中でもバイオサイエンスとバイオテクノロジー両分野の研究者により構成され、理学と工学の真の融合により新しい生命理工学パラダイムの構築を目指すユニークなコースです。研究対象として、細胞の増殖・分化、個体の老化・生殖、癌・感染症や成人病、神経システム、生物・環境相関など、21世紀の人類が避けて通ることのできない重要な生物学的諸問題を取り扱います。そのような問題を解決するためのアプローチとして、遺伝子、細胞内外の信号伝達経路、神経システムなど、さまざまな形態をとりうる情報の伝達、発現、変換、可塑性に注目し、生命情報学の立場から研究を進めています。本コースは、生命情報専攻の生命情報医科学講座(分子生命情報分野・分子生命医工学分野)、高次生命情報講座(高次生命情報分野・知能情報分野)および生命情報工学講座(情報生命工学分野・生物圏情報分野)の教員が担当しています。
4.卒業生の進路
毎年、卒業生の約90%が大学院修士課程に進学しています。その内訳は、生命理工学研究科進学者が卒業生全体の55%、東京工業大学他研究科が25%、他大学大学院が10%です。学部卒業生の就職者数は約10%で多くありませんが、化学系、食品系、製薬系、または商事会社、情報・金融関連企業に就職しています。大学院修士課程修了者については、博士課程進学者が約40%、就職者が約60%で、就職先の内訳は、化学系、食品系、製薬系がそれぞれ修士課程修了者全体の17%です。その他、公務員、電気・電子・機械系を含めて約10%です。
5.教員名簿と研究内容
生命工学科 教員一覧
| 分野名 | 教員 | 主な研究分野 | |
|---|---|---|---|
| 分子生命医工学 | 准教授 | 山口 雄輝 (5798) |
生化学、遺伝学、分子生物学(ゲノム情報発現機構、RNA代謝、エピジェネティクス) |
| 情報生命工学 | 教授 | 黒川 顕 (5139) |
ゲノム化学、メタゲノム化学(ヒトメタゲノム解析および環境メタゲノム解析)、ゲノム微生物学、バイオインフォマティクス、ゲノムなどの生命情報解析による新規知識発見 |
| 講師 | 山田 拓司 (5744) |
ゲノム/メタゲノムデータ解析、代謝パスウェイ解析、バイオインフォマティクス | |
| 生活圏情報 | 教授 | 徳永 万喜洋 (5711) |
生物物理学、細胞を観る・計る・創る、1分子イメージングと計測、分子システム生物学:細胞のin silico再現、免疫細胞の活性化機構 |
| 准教授 | 十川久美子 (5733) |
生物物理学、分子生物学(シグナル伝達の細胞内蛍光1分子イメージング) | |
| 分野名 | 教員 | 主な研究分野 | |
|---|---|---|---|
| 蛋白質工学 | 教授 | 中村 聡 (5765) |
タンパク質工学、遺伝子工学、進化分子工学、極限環境微生物、極限酵素 |
| 准教授 | 福居 俊昭 (5766) |
遺伝子工学、ゲノム工学、極限環境微生物学 | |
| 細胞工学 | 教授 | 濱口 幸久 (2244) |
細胞工学、発生生理学、細胞運動 |
| 生物分子プロセス | 教授 | 和地 正明 (5770) |
細胞工学、分子遺伝学、微生物学 |
| 生物有機工学 | 教授 | 三原 久和 (5756) |
生物有機化学、ペプチド化学、人工タンパク質 |
| 講師 | 松田 知子 (5757) |
生体触媒化学、超臨界流体工学 | |
| 生物有機工学 | 講師 | 朝倉 則行 (5769) |
生物物理化学、生物無機化学、タンパク質電子移動 |
| 生物化学工学 | 教授 | 丹治 保典 (5763) |
生物化学工学、環境微生物学 |
| 准教授 | 蒲池 利章 (5752) |
生物無機化学、生物工学 | |
| 細胞生物工学 | 准教授 | 廣田 順二 (5830) |
細胞生物工学、分子神経科学 |
| 分野名 | 教員 | 主な研究分野 | |
|---|---|---|---|
| 生体分子動力学 | 教授 | 上野 隆史 (5844) |
生物無機化学、構造生物学、タンパク質結晶化学、タンパク質集合体、ナノバイオ材料 |
| 教授 | 田口 英樹 (5785) |
生化学、分子生物学、生物物理学、タンパク質の作用機構、細胞内蛋白質科学、蛋白質工学 | |
| 准教授 | 大谷 弘之 (5786) |
視物質とその類似物質の光反応のリアルタイム追跡 | |
| 生体材料設計 | 准教授 | 田川 陽一 (5791) |
臓器発生、再生工学、発生工学 |
| 生体機能制御工学 | 教授 | 近藤 利江
(5800) |
分子生物学、細胞生物学、分子腫瘍学、生体分子光イメージング、分子標的・環境標的薬剤開発 |
| バイオミメティック | 教授 | 占部 弘和 (5849) |
医薬、薬剤、及び生物活性物質の合成と方法論、有機化学、不斉合成、環境保全型合成、ワンポット合成 |
| 准教授 | 森 俊明 (5782) |
生物有機化学、酵素工学、糖鎖工学、ナノ材料、超臨界流体中での反応 | |
| 生物計算化学 | 教授 | 櫻井 実 (5795) |
生物物理化学、生体関連化合物の量子化学 及び計算機シミュレーション |
| 連携教授 | 教授 | 栗原 正明 | 有機合成化学、薬品化学 |
| 講座外担当 | 教授 | 小林 雄一 (5789) |
有機合成化学、生物活性化合物合成、金属触媒反応 |
| 准教授 | 小倉 俊一郎 | がんのイメージングとがんの代替療法 | |
カリキュラム
生命工学科 専門科目
| 1年次 | ||
| バイオフロンティアゼミ | 基礎生物学 | バイオクリエーティブデザインⅠ |
| 環境安全論 | コンピューターリテラシ | |
| 2年次 | ||
| 生物化学第一 | 生命工学概論第一 | 生命理工学課題解決演習第一 |
| 生物化学第二 | 生命工学概論第二 | 生命理工学課題解決演習第二 |
| 物理化学第一 | 生物工学基礎 | |
| 物理化学第二 | 環境化学工学 | |
| 有機化学第一 | 生命工学基礎実験第一 | |
| 有機化学第二 | 生命工学基礎実験第二 | |
| 3年次 | ||
| 遺伝子工学 | 生物関連法規概論 | 生命工学L1ゼミ |
| 応用生物工学 | 生物有機科学 | 生命理工学実験法 |
| 応用分子生物学 | 生物有機化学 | 生命工学総合実験第一 |
| 機器分析概論 | 生命情報工学基礎 | 生命工学総合実験第二 |
| 酵素工学 | 生命物理化学・データ解析学 | 生命理工学特別講義 |
| 細胞工学 | 生命倫理学概論 | 海外科学技術研修開発 |
| 細胞生物学 | 微生物工学 | 生命工学インターンシップⅠ |
| 細胞生理工学 | 分子遺伝生化学 | 生命工学インターンシップⅡ |
| 植物生理学 | 分子生物学 | バイオクリエーティブデザインⅡ |
| 生体高分子科学 | 分子生理学 | バイオテクニカルプレゼンテーションⅠ |
| 生体有機化学 | 有機化学第三 | |
| 生物化学工学 | 有機化学第四 | バイオテクニカルプレゼンテーションⅡ |
| 生物環境論 | バイオ統計学 | |
| 4年次 | ||
| 企業社会論 | ナノバイオインテリジェンス | 生命工学L2ゼミ |
| 科学英語特別講義 | 生命理工学特別講義 | 学士論文研究 |
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